大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

こたつではやくとあくれてほおずりし

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寒さが厳しくなりました十二月半ばです。 飛騨では特に夜の冷え込みは厳しくコタツなしでは凍え死んでしまいます、とは大げさかな。 小学一年生の頃だったか、夏は親子で川の字になって寝れば良いのですが問題は冬です。 部屋の真ん中に炭火用の小さな掘りごたつ、どうにもこうにも川の字形は不可能、 コタツを番(つがい)にしてエルの字形に寝るしかありません。 お袋は妹と乳飲み子の弟を両脇に抱えて、父親は私を抱いて寝ました。

句意ですが、やくとというのは古語にあります、役目として、という元の意味が 転じて、わざと、という意味で用いられます。 あくれるという下二段の俚言動詞ですが、 悪(あ)しく振舞う、という意味の転でしょう、 悪ふざけをするという意味で用いられます。 つまりは、やくとあくれる、とはわざと悪ふざけする、という意味ですが、 布団からは頭だけ出す訳ですので無精ひげの父はいやがる私にわざとほおずりしたのです。あの親父め。

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