大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 日本釈名

日本釈名

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私:日本釈名は貝原益軒による元禄期の語源書。国立国会図書館でネット公開されている。
君:飛騨方言との関わりは?
私:うん、例えばかぶちんただまい
君:少なからず関係があるのはわかったわ。
私:人文学オープンデータ共同利用センター(Center for Open Data in the Humanities / CODH)利用という手もある。ここ
君:今や私達はとんでもない世界に生きているのね。
私:君がそれを言うか。ならば日本釈名をライフワークにしてもいいね。ははは
君:うーん。
私:ははは、釣られたな。日本釈名の学問的評価は中くらい。こじつけも多い。いかづち、は怒って土に落ちるから、とか。答えと言えば、形ク・いかし、これは良しだが、「つ」は連体格助詞、「ち」は神秘的な力を持つものの意だよね。秋津州あきつしま、辺りから類推できるよね。
君:脱線しているわよ。
私:失礼、先生は「要訣ようけつ」、要は凡例に八つの語源解釈上の要点を示した。
君:内容は?
私:うん、早速。
自語・・上古の時代に自然に言いだした語。みだりに解釈できない語。あめつち、ちちはは
転語・・五音相通でできた語。上かみ・君きみ、染そみ・墨すみ
略語・・語の一部の省略。ひゆる・氷ひ、墨研すみすり・硯すずり
借語・・他の語の転用。日ひ・火ひ、炭・墨
義語(合語)・・語の複合。諸越(もろこし)・唐、明時あかとき・暁あかつき
反語・・仮名反。あはうみ・あふみ、みえ見・め目
子語・・母語を基に出来た語。日ひ・昼ひる、水みづ・源みなもと
音語(いんご)・・漢語の国語化。菊、杏子
君:略語と反語の違いは?
私:略語は単にモーラの脱落。その一方、反語は「き」は「か・い」の反、「く」は「か・う」の反というように、一音の仮名が二音の反切により成り、また逆に、二音が一音に縮約するというように考えること。約言、反音とも言い、規則性がある。
君:いくつかの語の解釈には問題点もあるけれど、概ねは語源の資料として役立ちそうね。
私:その通り。問題点を洗い出し、どうして先生がそのような間違いに陥ってしまわれたのか、これを考え詰める事が僕のライフワークだ。がはは
君:ああ、いやだ。貴方のその性格!

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