大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
こつける・こつかる(=ぶつける・ぶつかる) |
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私:「ぶつける・ぶつかる」を飛騨方言では「こつける・こつかる」とも言うのだが幾つか書いた。こことこことこことここ。 君:簡単にひと言、語源はよくわかりません、と書いてあるわ。 私:これらの記事を書いた時期は、よく思い出せない、十年ほど前か。今夜もなんかひとつ書いて寝ようと思って再調査した。 君:へえ、それですぐに見つかったのね。 私:ああ、みつかった。当時と今では所有する辞書の数が違う。近世上方語辞典・東京堂出版に記載がある。他カ四「こつく小突」だ。意味は拳(こぶし)なとで突く。転じて、打つ・叩く。更にて転じて、ひどい目にあわす・脅迫する。文例は安政七年道中亀山噺、他。 君:なるほど、当初思っていた通りじゃないの。おめでとう。 私:小突あたりだとは思っていたが、文献が出てきた。拳などてほんの少し突く事。槍で突いたら「こつく」とはいわないね。でも、ここで思わず吹き出しそうになる。 君:・・若しかして自他対の事ね。 私:その通り。他カ四「こつく小突」だ。つまりはこれから自ラ四「こつかる小突」が生まれたのだろう。自ラ四「こつかる小突」が生まれて後に他カ四「こつける小突」が生まれて、同音現象によって他カ四「こつく小突」がはじき出された、つまりは死語になったのでは、と容易に推察される。こんなことが飛騨だけで生じた、という事かな。つまりは国語学の奇跡の現象。俚言だ。飛騨の世界遺産だけがレジェンドではない。飛騨の俚言こそ文化レジェンドという訳だな。いやあ、楽しい。今夜も左七にとっては蜜の味というか、方言学という美酒に乾杯。 君:ほほほ、方言の神様と握手、という事ね。 私:勿論だよ。そして最近は、ちょいと考えると直ぐに結論が見えるようになったと言い換えてもいいかな。神様が近すぎ。ぶっ 君:危なっかしい考え方ね。やめてよ。ベテランも心に初診のマーク付け。第一に、そもそもがあなたはベテランでも専門家でもないのだし。 私:そうだね。僕は単なるアマチュア。故郷離れて可児市に住んで、故郷の言葉を懐かしんでいる。それだけ。 君:日本方言大辞典全三巻もみたのよね。 私:ああ、みたとも。見出しは「こずく小突」だった。全国的に各種の音韻に変化し、語彙も多い。 君:今日のオチはどうしようかしら。 私:語源の壁にコツカル、程度じゃ駄目だな。 君:小惑星、地球にこつかる、あれこわい・・・飛騨川柳、ほほほ 私:おっ、いいね。今日のニュースでやっていた。最悪なら地球壊滅? 小惑星ベンヌ、衝突の確率高まる辺りに始まって、小惑星に衝突させる宇宙船11月に打ち上げ、軌道変更実験実施へ NASA、これって今日のニュース。 君:杞憂、無用な心配の意味。語源は、中国古代の周代に杞の国の人が天が落ちてこないかと憂えたこと。 私:Laurence Rosenthal 映画「メテオ」Meteor,1979。 君:なにこれ。古い映画ね。 私:当時は米国が主催する留学試験の準備に忙しく、専門知識以外に独自施行の英語試験もあった。TOEFLがまだ一般的では無かったというような信じられない時代だった。手探り受験対策としては封切り映画をすべて見る短期作戦に出た。結果は合格。イェーイ 君:情熱を留学にこつけたのよね。ほほほ |
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