円形広場  
 新                                    ・新・黎明俳壇
新・黎明俳壇のすばらしいところ。
字が大きい。読みやすい! 気鋭の俳人・詩人が新時代を切り開く自由な発想で執筆! 刺激的な特集! 俳句のことが楽しく勉強でき、どうすれば上達するかがよく分かります。俳句のことで今まで分からなかったことが簡単に分かり、目の前が明るくなります。オールカラー!

第10号特集3月21日出来!
 特集:一茶『おらが春』の名句を味わう

 気鋭の俳人10人が、幼い長女の死を軸にして綴った一茶の『おらが春』の句をペアで鑑賞します。新鮮な読みをお楽しみください。
 
黎明書房発行
●A5判、68頁、オールカラー 頁
●定価840円(税込み)
*1号~4号は定価800円です。
 5号からは定価840円です。
●書店、アマゾンなどでお求めいただけます。店頭に並ぶのは4月第1週から第2週の予定です。
●黎明書房から送ってもらうには1~2冊は送料84円かかります。
前金です。切手可。
●年3回、4月・8月・12月の発行です。
●新・黎明俳壇には、ネットの無料投句欄「黎明俳壇」(選者:武馬久仁裕)の入選作が、選評とともに誌上で発表されます。どうぞご投句ください。
●特選、秀逸、ユーモア賞には、新・黎明俳壇の掲載号を贈呈します。
●投句先:葉書 〒460-0002名古屋市中区丸の内3-6-27 EBSビル 黎明書房 黎明俳壇係
E-mail: mito-0310@reimei-shobno.com
●詳しくは、黎明書房HPを。


第10号特集  一茶『おらが春』の名句を味わう

取上げた句と鑑賞者


小枝恵美子
目出度さもちう位也おらが春
ともかくもあなた任せのとしの暮

●横山香代子
這え笑へ二つになるぞけさからは
蓮の葉に此世の露は曲がりけり

●山科希
白壁の誹れながらかすみけり
はつ雪の降り捨てある家尻哉
●星野早苗
み仏や寝ておはしても花と銭
重箱の銭四五文や夕時雨

●川嶋ぱんだ
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
柳からもゝんぐあゝあと出る子哉

●赤野四羽

かすむ日やしんかんとして大座敷
蛼のとぶや唐箕のほこり先
●二村典子
麦秋や子を負ながらいはし売
母馬が番して呑す清水かな

●かわばたけんぢ
萍の花からのらんあの雲へ
蟻の道雲の峰よりつゞきけん
●田中信克
けふの日も棒ふり虫よ翌も又
能なしは罪も又なし冬籠

●山本真也
卯の花もほろりほろりや蟇の塚
まかり出たるは此藪の蟇にて候



今号の俳句 春・小西来山 夏・杉山久子
ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ 武馬久仁裕
秘境で俳句 エンジェルフォール 滝澤和枝
近江の言葉たち 紀貫之と歳時記 川島由紀子
ニューヨークから俳句 方舟 太田風子
俳句の中の人たち 友か敵か 酒俳句 松永みよこ
遠くの句碑・近くの句碑 名古屋 千鳥塚 ひらの浪子 
本当は難しいやさしい俳句 
初夏のピッチャーの背の反り返る 横山香代子
息白く唄ふガス室までの距離 堀田季何

武馬久仁裕
俳句クロスワードパズル
名句穴埋めクイズ
名句暗記カード
俳句殺人事件簿 桜吹暦 千代女 
俳句こぼればなし 季語は「縄文」 赤石忍
名句再発見 雨風の中に立ちけり女郎花 小西来山 武馬久仁裕
二十四節気を俳句で楽しむ 立夏 朝倉晴美
シニアの私の一句、私の好きな一句 石川幸子・小林寛久
俳書紹介 赤石忍 『風猫』 石川幸雄
写真de俳句史探訪 白嶽 ソウル
武馬久仁裕の俳句日記 日々是好日



第9号特集   芭蕉『おくのほそ道』の名句を読む

取上げた句と鑑賞者


なつはづき
草の戸も住替る代ぞひなの家
一家に遊女もねたり萩と月

●小枝惠美子
行春や鳥啼魚の目は泪
蛤のふたみにわかれ行秋ぞ

●川島由紀子
野を横に馬牽むけよほとゝぎす
わせの香や分入右は有磯海

●山科希

田一枚植て立去る柳かな
庭掃て出ばや寺に散柳

●かわばたけんぢ
世の人の見付ぬ花や軒の栗
象潟や雨に西施がねぶの花

●横山香代子

夏草や兵どもが夢の跡
浪の間や小貝にまじる萩の塵
●二村典子
五月雨の降のこしてや光堂
名月や北国日和定なき

●川嶋ぱんだ
蚤虱馬の尿する枕もと
むざんやな甲の下のきりぎりす
●村山恭子
閑さや岩にしみ入蟬の声
石山の石より白し秋の風

●田中信克
五月雨をあつめて早し最上川
荒海や佐渡によこたふ天河



今号の俳句 冬・金子敦 春・小林一茶
ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ 武馬久仁裕
私の海外詠 エッツタール渓谷 前野砥水
俳都松山便り それぞれの在り方 岡本亜蘇
ニューヨークから俳句 タングルウッド音楽祭 太田風子
俳句の中の人たち 無一物のままで 良寛の俳句 松永みよこ
遠くの句碑・近くの句碑 宮古島 篠原鳳作の句碑 ひらの浪子 
俳句クロスワードパズル
名句穴埋めクイズ
名句暗記カード
俳句殺人事件簿  千代女 
二十四節気を俳句で楽しむ 大寒 朝倉晴美
シニアの私の一句、私の好きな一句 早川正博・近江菫花
俳書紹介 北野武志句集 『鏡』 武馬久仁裕
写真de俳句史探訪 タシケント
名句再発見 落葉松はいつめざめても 武馬久仁裕
句碑カードを作ろう
武馬久仁裕の俳句日記



第8号特集   現代俳句の高峰!  小川双々子を読む

取上げた句と鑑賞者


赤石忍
げんげんばらばらや哭くすがた踊る
はるかいま幻爆ドーム風花して

●赤野四羽
かの歔欷の雪のちらつきはじめたり
〈わたしはここにゐる〉とぞ雨の紫蘇畑

●かわばたけんぢ
忘れゐし氷室を見に戻る人よ
麦刈人一人ゑゐ ゑゐ ゑゐと哭き

●田中信克
サーカス来てわが病む冬の天囃す
ゆく雁やひたすら言語(ラング)たらんとして

●千葉みづほ

ドアの把手に洋傘さがりこのビル病む
非さすらひたけのこを掘りのこしたる
●なつはづき
春の空よりこぼれしか金平糖一粒
雪を来る美しきことはじめんと
●星野早苗
煙管もて椿をずつととほくにする
征矢ならで草矢刺さりし国家かな
●村山恭子
人体のかたちさみしも蓮根掘り
貧乏の干菜をひとり分もらふ

●山科誠
縄ゆるみたる氷塊を提げゆけり
暑き街虚無僧が来て絶壁なす



今号の俳句 秋・日野草城 冬・久保純夫
坪内稔典! in 岡崎 初夏の窓・岡崎句会ライブ

*参加者全員の句を掲載
秘境で俳句 ギアナ高地 滝澤和枝
近江の言葉たち 木の灯台とおしゃれ心 川島由紀子
ニューヨークから俳句 坂本龍一氏の思い出 太田風子
俳句の中の人たち 橋本多佳子の俳句 松永みよこ
遠くの句碑・近くの句碑 三河・藤川の芭蕉句碑 岡崎一生
俳句クロスワードパズル
名句穴埋めクイズ
名句暗記カード
俳句殺人事件簿 十薬 千代女 
二十四節気を俳句で楽しむ 処暑 西本明未
シニアの私の一句、私の好きな一句 新濃健・辻村明美
俳書紹介 寺田伸一句集 『ぽつんと宇宙』 小枝恵美子
写真de俳句史探訪 放射路
名句再発見 下京や 武馬久仁裕
ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ 武馬久仁裕



第7号特集   清新にして、官能的。  鈴木しづ子、句集未収録句を読む



取上げた句と鑑賞者


なつはづき
ハンカチ汚れたり香水の残り香に
女体にて月のみ前に恥づるなし

●横山香代子
山吹散る二度目の女でわたしは厭だ
冬の夜の湯をかけてみる綺麗な手

●村山恭子
冬の町買うて帰るは甘き菓子
人の子に童話きかせて吹雪けり

●川島由紀子
寒燈下色あざやかにして箱は空
雪中やかがみて拾ふ紙包み

●千葉みづほ

日も晩く搬ばれきたり炭俵
過ぎ失せし愛の記念や冷蔵庫
●赤野四羽
冷えおぼゆ円弧にふるる矢の尖り
人の言百里を越えて怒り起つ
●星野早苗
かたちよく爪をきりとるむつきの日
働かずありし数日マツチ擦る
●山本真也
春の雪交番の無き町なりけり
雪降りをり県庁はいま正午にて

●赤石忍
いつか地球は滅ぶと言へり渦巻くぜんまい
夏の夜の河をはさみて人あふる



俳句こぼればなし  鈴木しづ子の自筆判読困難句を読む  武馬久仁裕
■の葉に古知野の風のわたりけり  しづ子

記事はその他にも沢山あります。詳しくは黎明書房のHPをご覧ください。


第6号特集 尾崎放哉VS種田山頭火


取上げた句と鑑賞者

赤野四羽
一日物云はず蝶の影さす 放哉
水に影ある旅人である 山頭火

●山本真也
こんなよい月を一人で見て寝る 放哉
春の雪ふる女はまことうつくしい 山頭火

●川島由紀子
海がまつ青な昼の床屋にはいる 放哉
春風の扉ひらけば南無阿弥陀仏 山頭火

●千葉みずほ
咳をしても一人 放哉
わたしひとりの音させてゐる 山頭火

●山科誠

月夜の葦が折れとる 放哉
明けてくる鎌をとぐ 山頭火
●川端建治
墓のうらに廻る 放哉
日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ 山頭火
●なつはづき
雑踏のなかでなんにも用の無い自分であつた
どうしようもないわたしが歩いてゐる 山頭火
●横山香代子
入れものが無い両手で受ける 放哉
鉄鉢の中へも霰 山頭火



今号の俳句 
秋・内藤丈草 冬・花谷清

ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ(武馬久仁裕)
特集 尾崎放哉 VS.種田山頭火
『おくのほそ道』象潟復元写真

俳句クロスワードパズル
シニアの私の一句,私の好きな一句(眞鍋光彦・近藤綾子))
私の海外⑥―ポートレート・イン・アルハンブラ宮殿(前野砥水)
俳都松山便り⑤ 柿くへば(岡本亜蘇)
俳句の中の人たち⑤ 海女をめぐるまなざし(松永みよこ)
ニューヨークから俳句⑥ ソーホー・プレーグループ(太田風子)
俳句殺人事件簿⑥ 大晦日(千代女)
二十四節気を俳句で楽しむ⑥ 秋分(九月二十三日~十月七日)(西本明未)
名句穴埋めクイズ
間違いさがしで,季語を深めよう

俳書紹介 
永井江美子句集『風韻抄』(田中信克)
俳句史探訪 
象潟の松尾芭蕉+写真・現在の象潟(K・B)
名句再発見―千代女の迷い(武馬久仁裕)

なやましい季語クイズ
名句暗記カード(解説付き)

俳句こぼればなし―山口誓子と夏氷(武馬久仁裕)

31回~第33回黎明俳壇入選作発表
(武馬久仁裕選。選評もついています)
*表紙絵:飯田治代


第5号特集 高浜虚子VS飯田蛇笏


取上げた句と鑑賞者

山科誠
遠山に日の当りたる枯野かな 虚子
芋の露連山影を正しうす 蛇笏
千葉みずほ
風鈴の音に住ひする女かな 虚子
鈴おとのかすかにひびく日傘かな 蛇笏
赤野四羽
蛇逃げて我を見し眼の草に残る 虚子
夏真昼死は半眼に人をみる 蛇笏
村山恭子
もの置けばそこに生れぬ秋の蔭 虚子
古りゆがむ秋の団扇をもてあそぶ 蛇笏
井上優
旗のごとなびく冬日をふと見たり 虚子
くれなゐのこころの闇の冬日かな 蛇笏
田中信克
北風や石を敷きたるロシア町 虚子
冴返るキタイスカヤの甃 蛇笏
川島由紀子
寒燈にいつまで人の佇みぬ 虚子
はるばると来て春燈に不言 蛇笏
なつはづき
去年今年貫く棒の如きもの 虚子
極月やかたむけすつる桝のちり 蛇笏



今号の俳句 春・田彰子 夏・小林一茶
ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ(武馬久仁裕)
特集 高浜虚子 VS.飯田蛇笏
俳句クロスワードパズル
シニアの私の一句,私の好きな一句(勅使河原正雄,稲垣嘉子)
私の海外⑤―ポートレート・イン・メブラーナ―(前野砥水)
俳都松山便り④ 山頭火松山日記(岡本亜蘇)
俳句の中の人たち④ いまさらでない―鈴木しづ子の俳句(松永みよこ)
ニューヨークから俳句⑤ グラウンド・ゼロの句会(太田風子)
俳句殺人事件簿⑤ 鐘(千代女)
二十四節気を俳句で楽しむ⑤ 芒種(六月六日~六月二十日日)(鈴木芝風)
名句穴埋めクイズ
間違いさがしで,季語を深めよう

名句再発見―許六と漱石(武馬久仁裕)
俳書紹介 赤野四羽句集『ホフリ』(山本真也)

なやましい季語クイズ
名句暗記カード(解説付き)

俳句史探訪 ハルビンの飯田蛇笏(K・B)

25回~第27回黎明俳壇入選作発
(武馬久仁裕選。選評もついています)

*表紙絵:飯田治代


第4号特集 夏目漱石VS芥川龍之介

取上げた句と鑑賞者

赤野l四羽
菫程な小さき人に生れたし 漱石
春の夜や小暗き風呂に沈み居る 龍之介
月城龍二
新道は一直線の寒さかな 漱石
新道は石ころばかり春寒き 龍之介
山本真也
白き皿に絵の具を溶けば春寒 漱石し
葡萄嚙んで秋風の歌を作らばや 龍之介
川島由紀子
秋の川真白な石を拾ひけり 漱石
花火より遠き人ありと思ひけり 龍之介
山科誠
某は案山子にて候雀どの 漱石
青蛙おのれもペンキぬりたてか 龍之介
なつはづき
乙鳥や赤い暖簾の松坂屋 漱石
牛込に春陽堂や暑き夏 龍之介
田中信克
花売に寒し真珠の耳飾 漱石
角燈に流るゝ夜霧郵便屋 龍之介
千葉みずほ
凩や海に夕日を吹き落す 漱石
凩や目刺に残る海の色 龍之介


今号の俳句 秋・高橋比呂子 冬・吉岡禅寺洞
ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクアップ(武馬久仁裕)
特集 夏目漱石 VS.芥川龍之介
俳句クロスワードパズル
シニアの私の一句,私の好きな一句(丸目藤二,栗岡信代)
私の海外詠④―ポートレート・イン・シベリア―(前野砥水)
俳都松山便り③ 波郷のこと(岡本亜蘇)
俳句の中の人たち③ 近すぎて見えない―蚊・蠅の俳句(松永みよこ)
ニューヨークから俳句④ 初夏のガーデンランチ(太田風子)
俳句殺人事件簿④ 初雪(千代女)
二十四節気を俳句で楽しむ④ 小雪(十一月二十二日~十二月六日)(鈴木芝風)
名句穴埋めクイズ
間違いさがしで,季語を深めよう

名句再発見―白泉と波郷(武馬久仁裕)
コロナ禍で俳句が作れなくなったら(KB

なやましい季語クイズ
名句暗記カード(解説付き)

俳書紹介 武馬久仁裕著『名歌,名句の美』(川端建治)
25回~第27回黎明俳壇入選作発表(武馬久仁裕選。選評もついています)

*表紙絵:飯田治代


第3号特集 杉田久女VS西東三鬼


取り上げた句と鑑賞者

山科誠
 花衣ぬぐやまつはる紐いろ\/  杉田久女
おそるべき君等の乳房夏来る  西東三鬼
川嶋ぱんだ
 朱欒咲く五月となれば日の光り  杉田久女    
 光りつつ五月の坂を登りくる  西東三鬼
福林弘子
紫の雲の上なる手毬唄  杉田久女
あきかぜの草よりひくく白き塔  西東三鬼
村山恭子
 
誘はれて草つむとなく出でにけり  杉田久女
 秋の森出で来て何かうしなへり  西東三鬼
赤野四羽
 石角に林檎はつしとわがいかり  杉田久女
 露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す  西東三鬼
なつはづき
 めにつきし毛虫援けずころしやる  杉田久女
 ひげを剃り百足虫を殺し外出す  西東三鬼
山本真也
 春燈消えし闇にむき合ひ語りゐし  杉田久女
 胡瓜もぎ?みて何者かと語る  西東三鬼
千葉みずほ
 足袋つぐやノラともならず教師妻  杉田久女
 男立ち女かがめる蟻地獄  西東三鬼



名句再発見 夏草とたんぽぽ
武馬久仁裕
夏草に汽罐車の車輪来て止る  山口誓子
たんぽゝや長江濁るとこしなへ  山口青邨
*一句の中では、夏草もたんぽぽも決して小さくないことを述べました。

俳句の中の人たち②
松永みよこ
春の俳句を召し上がれ(桜餅)
わが妻に永き青春桜餅  沢木欣一
など、桜餅を詠った句について楽しく語ります。

ニューヨークから俳句③
太田風子
SOHO句会
江國滋酔郎との豪華な会食付き句会。

※すみません、詳しくは、黎明書房のHPを見てください。


第2号特集 宮沢賢治VS新美南吉



取り上げた句と鑑賞者

松永みよこ
 岩と松峠の上はみぞれのそら  宮沢賢治
 焔筒拭けば山は霙に濡るる頃  新美南吉
赤野四羽
 おもむろに屠者は呪したり雪の風  宮沢賢治    
 稲妻や烈しき性欲にひとりゐる  新美南吉
川嶋ぱんだ
雲ひかり枕木灼きし柵は黝し  宮沢賢治
枕木をよぢのぼりよじのぼり兵送る  新美南吉
山本信也
 
狼星をうかゞふ菊のあるじかな  宮沢賢治
 木枯しや片側町に住む研師  新美南吉
千葉みずほ
 鮫の黒肉わびしく凍るひなかすぎ  宮沢賢治
 雲裏の寒き翳りや肉屋出る  新美南吉
山科誠
 たうたうとかげらふ涵す菊の丈  宮沢賢治
 誘蛾燈昼をさびしく消えてゐる  新美南吉
なつはづき
 たそがれてなまめく菊のけはひかな  宮沢賢治
 雨はれで梔子にゐる少女かな  新美南吉
廣島佑亮
 鳥屋根を歩く音して明けにけり  宮沢賢治
 口あけて烏のあるくひでりかな  新美南吉



名句再発見 森澄雄の名句
武馬久仁裕
炎天より僧ひとり乗り岐阜羽島 澄雄



創刊号特集 橋本多佳子VS鈴木しづ子



取り上げた句と鑑賞者
赤野四羽
 泣きたけれど朝顔の紺破ぶるべし     橋本多佳子
 コスモスなどやさしく吹けば死ねないよ  鈴木しづ子
なつはづき
 寒の星落ちて情死をいそぎけり      橋本多佳子    
 寒の夜を壺砕け散る散らしけり       鈴木しづ子
廣島佑亮
 死はそこに深夜の林檎戛と割る      橋本多佳子     
 実石榴のかつと割れたる情痴かな    鈴木しづ子
福林弘子
 雪の日の浴身一指一趾愛し        橋本多佳子
 湯の中に乳房いとしく秋の夜        鈴木しづ子
松永みよこ
 雪はげし抱かれて息のつまりしこと    橋本多佳子
 まぐはひのしづかなるあめ居とりまく    鈴木しづ子
村山恭子
 初蝶や一途に吾に来るごとし        橋本多佳子
 凍蝶に蹤きて日陰を出でにけり      鈴木しづ子 
山科誠
 うとみ見る我丈ほどの女郎花        橋本多佳子
 いまさらの如くにみるよたんぽぽ黄    鈴木しづ子 



教科書に出てくる俳句をもっと深く、面白く読もう
「目には青葉山ほとゝぎすはつ松魚(がつお) 」は、なぜ名句かを明らかにします。

近くの句碑、遠くの句碑
東海の潮来と呼ばれた愛知県蟹江の、吉川英治を初め数々の句碑めぐりを楽しみます。

ニューヨークから俳句
俳句は世界中どこでも楽しめる!

ハイクバー便り
あなたの近くのハイクバー。

私の海外詠
海外へ行ったら俳句をどんどん作っちゃえ!

二十四節気を俳句で楽しむ
二十四節気なんか、すぐにマスター。

俳句殺人事件簿
ほろりとさせる事件の顛末。

名句暗記カード
上達の近道は、名句を暗記すること。

俳句クロスワードパズル
俳句ことは、パズルで学ぼう。

ワンポイント添削であなたの俳句はワンランクjアップ
一字の違いでlこんなに変わるあなたの俳句!。


同時代人・北原白秋が見た橋本多佳子
 幸いにも北原白秋が多佳子の美しさを語っています。
 大正14(1925)年8月7日、白秋は鉄道省主催の樺太観光団に加わって、高麗丸で横浜港を出港しました。
 この観光団に26歳の多佳子は、夫橋本豊次郎とともに加わりました。白秋の文には、「団員名簿に会社員と記されたH君夫妻は小倉から出て来た、土地では相当の資産家らしい」と出ています。
 白秋は、多佳子の美しさを認めて、次のように書いています。

 「夫人は先ず船中一の美人であろう。細っそりして、色が白い。身重で、時には面やつれがして見えるが、そのせいか何かコケチッシュにも感じられる。童謡音楽会の時はこの奥さんが、私の『あわて床屋』をピアノで弾いたのが導火線になった。だが、一曲弾いただけですっと居なくなってしまった。」

とこんな具合です。
 出典は、白秋の樺太旅行記『フレップ・トリップ』(岩波文庫、2007年です。)










 






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