大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

まいか(助動詞特別活用(特活))(2)

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僕:飛騨方言の文末詞「まいか」については、今まであれこれ書いてきた。★まいか(助動詞特別活用(特活)) 文法編美濃・あるこまいか五段活用濁音及び後続詞接続動詞上二段活用と下二段活用まい
君:随分と書いたわね。飛騨方言らしい言い回しという事で地元でも人気の方言表現という事ね
僕:ネット情報、キャンペーン情報などで用いられる常套句だね。今日はオートバイで下呂市萩原町を通過してショックを受けてしまった。
君:ほほほ、どういう事。
僕:飛騨川左岸に沿う国道41号線を北上すると右手に三叉路。商店街の入り口だ。
君:それで。
僕:大きな横断幕があって、走っている車からよくみえる。「萩原町で買おまいか。」
君:「買わまいか」が正しい飛騨方言の表現ではないかと。
僕:そう言いたいところだが、堂々と見せつけられると、僕自身が考えを改めなければいけない。
君:戦前あたりでは飛騨全体が「買わまいか」。
僕:僕は1953年生まれだが、未だに「買わまいか」でないとしっくりこない。
君:ところで今は2020。
僕:そう、将来の為に書いておこう。例年、ふるさと萩原夏祭り、天領朝市、等々で商店街は企画の目白押しだが、今年はコロナパンデミックの年で、これらが軒並み中止になってしまった。
君:それでは寂しすぎるという事で、せめて横断幕を張りましょう、という事になったのね。
僕:そしてそれを企画したのは平成生まれ辺りの若い人達だろう。
君:ほほほ、今尚、戦後世代は生きているし、頭の中には「買わまいか」が詰まっているけれど。
僕:つまりは萩原町の戦後世代にも「買おまいか」が受け入れられるだろうとのご判断かな。
君:あるいは「買おまいか」「買わまいか」のどちらにするかお悩みになったとか。
僕:まあ、そんな事は無いだろう。これも時代の流れと言うか、岐阜市の影響だね。
君:岐阜市で方言キャンペーンなら「買おまいか」よね。
僕:ああ、決まりだね。
君:萩原町のお若い方は萩原町の古い方の言葉遣いに違和感をお感じなのかしら。
僕:かもね。岐阜では「買おまいか」、これが正しくて、「買わまいか」は間違った言い方という発想かな。
君:単純に考えると若い人同士でSNSを通じてあっというまに「買おまいか」が広まった可能性もあるわよ。
僕:そうだね。それにラインに少しばかり方言の表現を入れる事が流行なんだよ。
君:なにかあったわね。キーワード。
僕:方言女子。方言スタンプ。ネオ方言。方言萌え。新方言。方言コスプレ。相変わらず、この国は方言文化が健在だ。
君:オン飲み会。
僕:やってるね。子供達がやっている。結構、はまっているようだが。
君:ナウな事は私達には無理ね。
僕:無理だな。学会もすべてオンラインになってしまって。あぢきなし。
君:わざと思ひ立ちて、宮仕へに出でたちたる人の、もの憂がり、うるさげに思ひたる。取り子(養子)の、顔にくげなる。しぶしぶに思ひたる人を、しゐて婿どりて、思ふさまならずとなげく。
僕:我が家は立派な婿殿で、有難い事だと思っている。
君:あら養子さんなの。
僕:いや、嫁にやった。跡継ぎはいない。結納の時に彼に言ってやった。「なまものにつき、返品お断りです。」
君:寂しいわね。
僕:ああ、手塩に掛けて育てただけに。養子には基本的に反対。親が子供を利用して幸せになろうという魂胆なら猶更。
君:そんな親はいないわよ。
僕:同感。子は親を利用して親より幸せにならなくちゃね。
君:そうよね。ほほほ、でもお幸せね。私も幸せだけど、子供にはもっと幸せになって欲しいわ。

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