大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
母音の脱落 |
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私:2021/12/17 時点で、当サイトに母音の脱落をテーマとした原稿がどれだけあるか調べたが、結論としては驚くほど少ない。 オ段長音の開合とその消滅 これは古代の人々が連母音を嫌って母音の脱落を選んだ、という日本語の一般論。 ほえ・飛騨方言 これは飛騨方言で唯一と言ってもよい母音の脱落の例。手前味噌ながら、飛州志という文献を根拠とした論考なので内容が確実な原稿だ。 否定表現 否定「ず」から否定「ん」への変化は有声母音の脱落とによるものでは、という、多分本邦初公開の僕なりの解釈。 こそあど、のアクセント(愛しい貴方様) この原稿は誤謬を含んでいる。「あすこ」が二モーラになるのは母音の脱落というよりは「す」の無声化と考えるべきだろうかね。お恥ずかし。 無声化母音と飛騨方言指示代名詞「あすこ」 その一方、上方方言では「あそこ」は「あこ」、これは明らかに母音の脱落だね。 サ行イ音便が廃れつつある理由 うーん、懐かしいな。昔に書いていた記事だが、母音の無声化と母音の脱落は微妙な問題、これを意識せずに書くとこんな文章になっちゃうんのだろうかね。 頭音法則 これは上代の頭音法則のご紹介。つまりは日本語の歴史。 三河言葉 じゃんだらりん 懐かしいね。社会人スタートが安城市の総合病院。そこの言葉。 長崎県警ポスター ね」から「ん」、つまりは母音の脱落の話だが、うん、これも懐かしいな。対馬へ夫婦で旅行した時の町のポスター。帰宅後にすぐ書いた。 君:つまりは、飛騨方言においてはっきりと母音の脱落と言えるものは「ほえ」だけのようね。 私:うん、つまりは飛騨方言には母音の脱落は無いも同然。 君:ただし飛騨方言とて日本語。つまりは上代から近世にかけて母音の脱落によりすっかり日常語になってしまった言葉が含まれるわよね。 私:ふふふ、そうなんだよ。語源探しのお遊びというか、「みさき岬」だが、「うみ海」+「さき先」。 君:ほほほ、それに母音の無声化ね。 私:その通り。母音の無声化は、言い換えれば複合子音の形成という事も出来るだろう。これは現代語的な問題でもある。東京語は今、猛烈な勢いで母音の無声化が進んでいる。天下のNHKアナの話し方に現れている。 君:方言学のテーマとしては、ごくわずかの語彙という事で、「母音の脱落」は日本語全体の問題、という事ね。 私:そりゃそうだろ。言語学の問題といってもいいかも。日本語は c+v の繰り返しで母音優位の言語といわれているが、そんな言語で母音が脱落するなどという事事態が日本語の根幹にかかわる事だ。要するに、日本語漫談という事で聞き流してちょうだいね、上古に母音の脱落はするべきものはしてしまい、日本語が出来た。最近は英語の影響があって母音の無声化が進んでいる。 君:日本語では母音はまず脱落しません。今日の結論ね。ほほほ |
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