大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

たばる(食べられる、ありがたく格納しておく)

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私:「たばる」については、あちらこちらのコーナーに気ままに書いてきた。ここに総集編のような形で情報を公開したい。以下の通り。as of this writing 2022/7/6
下二段・一段活用の五段化
可能動詞
同音衝突
飛騨方言における四段動詞の可能動詞化・ら入れ言葉
飛騨方言における下一動詞の可能表現
飛騨方言に特有なラ行三拍動詞
可能動詞
飛騨方言の可能表現
飛騨方言・したる、の音韻
たばる(食ばる、貯る)・飛騨方言の同音衝突
いいなれる(=いいなさる)
飛騨方言の下一段動詞の五段化可能表現
くらつける(=殴る)
くた
つくばる(=すわる)
ハ行四段・やわう、の未然形
「おぼわる」のパウル説
上二段活用と下二段活用
四段活用と五段活用、その三
可能表現
飛騨方言動詞の可能表現
飛騨人の珍発明・たばる
たばる・飛騨方言
かたがる
君:なるほど、随分と書いたわね。
私:そうだね。知らぬ間に、という事だ。毎日、気ままに書いている。ジャンルも手あたり次第という事。音韻、文法、同音衝突、等々。
君:語源という事に絞って、簡単にひと言で要約してね。
私:まずは基本中の基本、現代飛騨方言としては他ラ五(他動詞ラ行五段)「たばる食」と他ラ五「たばる下賜」の二つの動詞があるという事。前者は他下一「食べる」の可能表現。後者は敬語のひとつ・尊敬語。要は「あたふ与」の尊敬語だ。
君:古語的にはどうなの。つまりは語源は。
私:他ラ五「たばる食」の語源は他バ下二「たぶ食」。他ラ五「たばる下賜」の語源は他バ四「たぶ賜」。
君:なるほど。古語動詞に於いても、現代語飛騨方言に於いても、共に同音衝突しているのね。
私:要はそういう事。会話の文脈で判断すればよい。例文は、「たばるんじゃが、うたていもんでたばっとくんじゃさ」。意味は、食べようと思えば食べられるが、もったいすぎて食べないで大事に保管しておく。これが瞬時にわかる人は飛騨方言理解度がA級だ。
君:なるほど。逆は有り得ないわね。大切な頂き物だけれど、ええい食べちゃえ、という意味では無いのよね。ほほほ
私:勿論だよ。飛騨の人達でそんな不届きな人っていないでしょ。
君:いらっしゃらないわよね。ほほほ

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