大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

方言学に関する当サイト管理人の私見

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お忙しい方の為に、要は私が言いたい事を以下にまとめました。国語学・方言学の成書に書かれた内容をかみ砕いて皆様にご紹介するというような原稿ばかりの当サイトですが、そんな駄文の中にも、私なりの発見がありました。2021/12/23 現在ですが、以下の通りです。今後に収集資料が追加され、実は既に研究者によって論文として著されている内容かもしれません。記事には多分に個人の勘違い、学問的な誤謬が含まれている可能性があります。従いまして是非ともお気づきの点、ご意見などを下記メール連絡先へお願い申し上げます。
メール連絡先 merckfellow1986@icloud.com
★上代特殊仮名遣い 動詞「ひる干」は上一段動詞ですが、古代には上二段動詞だったのです。「ふぃーしゅ」沖縄県首里、意味は「ひしお干潮」です。これが上代特殊仮名遣いの可能性がありますね。間違いなく本邦初公開です。
★サ行イ音便 よくよく考えてみると、サ行イ音便を扱う一部の論文が同音韻の成立の機序を発音上の労力軽減化現象と説くのは間違いでしょうね。
★ひとつ・ふたつ 飛騨方言においては数詞が三拍以上になると数詞の語頭にアクセントが移動する。こんな不思議なアクセント則が飛騨方言はありました。
★肥後方言「どぎゃん」の謎解き、どぎゃん(熊本) ついに語源に気づきました。どんな・どない・どがい・どがん・どぎゃん、です。
★そうそと(そうっと) 「さうそかせたまふ」「さうぞくす装束為」サ変動詞、語源は「さうぞくと・装束くと」でしょうね。新説ですが。
★ちゃんち(=おすわり) 川端と芥川にお聞きすれば、飛騨方言では何故、お座りの事を「ちゃんち」というかをお教えくださるのです。
★こわつけない(=硬い) 飛騨はじめ地方では「し」は脱落せずハ行転呼したのでしょう。中央では「し」は脱落してハ行転呼したのです。然もこれが周圏論分布して現代の日本の方言に生きているのではないでしょうか。
★ひどい(ひどく) 「ひだう非道」が中世で形動ナリ、近世で形シク、現代語で形クというわけですね。
★出来る(自カ上一) 近代語と現代語においては飛騨人は「ない・ぬ」の両方を使用します。ただし、如何せん、「ない」を使い始めてまだ一世紀余なので、飛騨人はついつい、力を込めて「な」にアクセント核を出現させてしまうのです。これが東京式でも内輪と外輪の決定的な違いです。
★つくねる・つくなる 表題の場合、自「つくなる」と他「つくねる」だから、若しかしたら他動詞「つくぬ捏」から自動詞「つくなる蹲」が生まれたのしょうね。
★サ行動詞連用形イ音便の諸相に関する一考察 サ行変格は絶対にイ音便にはなりません。また、サ行の自動詞はイ音便にならないのではなかろうかと考えます。言い換えればサ行イ音便は他動詞の専売特許です。例えば、「暮らして」とは言うけれど「暮らいて」とは言いません。
★はんちくたい、の語源 はんしくたい、はこのサイトが本邦初公開です。死語とは言え、戦前、あるいは明治時代には、はんしくたい、と発音されていた事もあったのですね。
★博多方言・こげ 旺文社古語辞典には、け・気、接尾語、いかにも〜の様子である・〜らしくみえる、 〜らしい、の記載があります。これが語源なのでしょうね。 つまりは、こげ、とは、この気、と言う事、このような気配、という意味では ないでしょうか。
★さかてんぼ 逆立ちなら誰にでも出来ましょうが、とんぼ返り、ともなると 誰でも出来るという訳にはいきませんね。 かっこうの練習法があり、本邦初公開しましょう。 冬に雪が積もった田んぼの土手へ行くのです。
★飛騨方言・尾根 おね、は古語ではないから古語辞典に載っていません。 当たり前の事ですね。つまり現代語なのです。尾根という言葉は 信州・飛騨・山梨あたり、つまり中部山岳の古来からの方言だったのです。 中部山岳の民の言葉の感性が、を+ね、で尾根という 方言を創造したのです。
★「食べきれやんやん・ホントやんやん」三重方言 三重方言には「否定」+「やん」という意味の「やんやん」という言い回しがそもそもあったのに、そこへ持ってきて若者言葉として「やんやん」という文末詞、つまりは単に「であらむ」の繰り返し、つまりは「であらむであらむ」という若者言葉が出現したのでしょう。現在では「やんやん」は否定文にも、肯定文にも用いられるようになっています。
★飛騨方言における開拗音の歴史 サ行開拗音は中央では江戸時代初期に廃れたが、飛騨方言では戦前まで続いたという事なのでしょうね。
★あべる(=浴びる) 飛騨方言の歴史はおそらく万葉時代に四段「あむす」、続いて下二段「あむす」、続いて他ラ下一「あぶ」、そして現代は下一段「あべる」。その一方、中央では四段「あむす」、上二「あむ」、上二「あぶ」、そして現代は上一「あびる」。結論としては、全国共通方言である時点で、単なる訛りではなく古代の音韻の生き残りの可能性を考えておく必要がありましょう。
★五拍形容詞(形ク)のアクセント NHK式アクセントとアクセント対応があるようです。
★青森県警交通安全スローガン 「まね」、これを知らないと方言通とは言えません。代表的津軽方言で「駄目・絶対」という意味です。語源は「まあいなし」でしょう。
★母音の脱落 否定「ず」から否定「ん」への変化は有声母音の脱落とによるものでは、という、多分本邦初公開の私なりの解釈です。
★ひなまつりのわらべ歌 エレキを握って一発録りをしたのでした。本邦初公開の飛騨のわらべ歌。
★くすがる(=刺さる)・くすげる(=刺す) 音韻論でドンピシャリ、他サ四「くつがへす」・自ラ四「くつがへる」が語源というのが本邦初公開の私の主張です。
★ぶくり(=ポックリ) アクセントが異なるのはポックリは実はオノマトペで厳密な意味では同根ではないから、というのが本邦初公開の私なりの理屈。
★「行くろ」「おいしいろ」の接続 学問は誰の物、それは自分の為。僕はこうやってひとりコツコツと日本語の歴史を独学している事に喜びを感じています。本邦初公開の妄想ですが、僕は国語学者でもなんでもありません。アマチュア方言愛好家です。若し間違っていたらごめんなさい。
★はつける 動詞のモダリティの分類で、合成動詞の下位分類たる複合動詞の前項動詞は接頭語に化けてしまいます。しかも前項動詞たるや二拍動詞に限られ、江戸語では連用形が促音便で飛騨方言では最初の一音節、このような音韻対応があるという事のようです。
★透き通る(すきとおる) 複合動詞の話に限定すると、「すく透」が前項動詞の複合動詞はたったひとつ「すきとおる」だけです。面白い事に「すく透」が後項動詞の複合動詞も実はたったひとつという事にも気づかされました。些細な事ですが、本邦初公開情報の可能性は無きにしも非ず、です。
★近代語「でかい」 「いかつい」は前田勇「江戸語大辞典」には記載が無く、言海に記載があります。本邦初公開の情報です、つまり「いかつい」は明治の初めに東京で生まれた言葉、という事がわかります。
★飛騨方言のアスぺクトの正体 アスペクトの正体見たり複合動詞後方成分「よる寄」。「ねがふ」のアスペクト物語。日本語センチメンタルジャーニーです。だから飛騨方言ではアスペクト過去が「ねがいよった」になるのです。「ねぎょる・ねぎょった」はありえない話です。
★江戸時代の飛騨方言・でかい(3) 実は「でかい」という言葉は江戸から京都へ数年で、つまりはあっという間に伝わったという事がわかります。多分、方言学の研究者が誰も気づいていません。本邦初公開の情報であると確信しています。
★あっ、そしゃアソシア 「さうせばや」の音韻変化ですが、「ば」の脱落により「さうせや」、これが飛騨方言「そしゃ」に化けるのです。これは四モーラ副詞から二モーラ副詞へと、一発変換した言葉に違いないでしょう。以上は推論ですが、どこにも書かれていません。本邦初公開。
★頭高二拍動詞の未然形アクセント 飛騨は純東京式アクセントだから、東京人になりすます事は簡単、自信を持って地で行け、という事だか、やはり微妙な点で異なる。頭高二拍動詞の未然形、という事がポイントです。行け行け飛騨方言アクセント。
★しな 学会の定説は坂東方言ですが、「東国方言じゃないかも」という本邦初公開の仮設です。実は西国方言(四国、九州)でしょう。

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